帰国後に米国の401(k)を一括で受け取ったら、日本の税金はいくら?
一時所得として申告した場合に増える税の見当と、米国で引かれた税の見方
この画面は、国税庁の速算表・通達と総務省の住民税の率に、入れた数字を当てはめた目安です(公表された決まりの整理で、相場の予測でも投資や税の個別の助言でもありません)。申告書の作成・米国への還付の請求はしません。判断は日米の税の専門家へ。
日本に住んでから米国の401(k)・IRA を一括で受け取ると、日本の所得税・住民税の対象になります(非永住者以外の居住者は、国内外のすべての所得が課税=No.2010)。① 受け取る額と為替 ② 税引後で出した掛金と為替 ③ ほかの課税所得 の3つで、一時所得として申告した場合に増える税の見当を出します。
先に: この計算の前提
- 401(k)・IRA の一時金がどの所得になるか(一時所得・雑所得・退職所得)を、国税庁は名指しでは書いていません。この画面は、一時所得として申告した場合を計算します(くわしくは下の「所得の区分」)。
- 当てはまらない人: 日本に住む前(非居住者の間)に受け取った人/日本国籍が無く過去10年で日本に住んだ期間が5年以下の人(非永住者=No.2010)/年金として受け取り始めた後の人・何年かに分けて受け取る人/Roth だけの人(運用益の日本での扱いが一次の資料に書かれていません。Roth が一部の人はこの画面で見られますが、Roth の運用益も一時所得に入れて計算しています)/亡くなった家族の 401(k)・IRA を受け取った人。
- 米国市民(元市民・長期居住者は、その身分を失ってから10年の間)は、日本の税の見当はこの画面で見られますが、米国の課税と日本の控除の計算が違います(日米租税条約1条4項・23条3項)。日本に住むグリーンカード保持者の扱いは条約4条2項で変わり、この画面では判定しません。
- 1042-S か 1099-R の総額(1099-R なら Box 1)です。米国で税が引かれていても、引く前の額を入れます。
- 受け取った日(取引日)の TTM(銀行が公表する、電信売相場と電信買相場の仲値)です(所得税基本通達57の3-2)。
- 米国でも給与から税を引かれた後に出した掛金(After-tax・Roth の contributions)の合計です。プランの Contribution History・明細で見ます。Rollover IRA に移した人は、元の 401(k) のプランの明細で確かめます。ふつうの Traditional 401(k) だけなら0です。
- 税前で出した掛金(Before-tax・elective deferrals)と会社の拠出(マッチ)は、入れないでください。通達が引ける掛金として書くのは「自ら負担して支出したものと認められるもの」までで(所得税基本通達34-4)、会社が出して給与にならなかった掛金は総額から除くと政令にあります(所得税法施行令183条4項3号)。米国の税引後・税前の掛金、会社の拠出が、これらのどれに当たるかは、一次の資料に書かれていません。この画面は、税引後の掛金だけを引く前提で計算します。入れる考え方を書く税理士の解説もあり、入れると税は少なく出ます。税理士へ。
- 1099-R の Box 5 の額は、元本の合計として使えないことがあります(税前の掛金は Box 5 に入らない=IRS の記入要領)。空のままなら0ドル(掛金を引かない)で計算します。
- 米ドル建の保険料についての東京国税局の文書回答で、照会者は「本来は各保険料支払日における為替レート(TTM)で邦貨換算した金額の合計額が相当」と書いています。掛金を平均の為替で円にしてよいと書いた一次の資料はありません。この画面は見当なので平均で計算します。申告では、掛金を出した日ごとの TTM で組み直します。
- 受け取る年の、日本で課税される所得です(帰国前の米国の給与は入れません)。年収ではなく、給与などの所得から、基礎控除・社会保険料控除などの所得控除を引いた後の額です。会社員なら、源泉徴収票の給与所得控除後の金額から所得控除の額の合計額を引いた額(マイナスなら0)が近い目安です(受け取る年の見込みで。帰国した年は、帰国前の日本の給与と、帰国後に受けたすべての給与の分)。分からなければ、勤め先の担当や税理士に聞きます。
- 給与などが無い・少ない人は0を入れます。その場合、残った所得控除で一時所得の分が減るので、実際はこの画面より少なくなります(残った控除の分は見ていません)。
見本: 20万ドルを1ドル150円で受け取る・税引後の掛金 3万ドルを平均115円で出した・ほかの課税所得 600万円。
入れた数字は、このブラウザの中だけで使います。保存も送信もしません。ページを閉じると消えます。
所得の区分(くわしく)
- 国税庁は、米国の401(k)・IRA の一時金がどの所得になるかを、名指しでは書いていません(タックスアンサー・質疑応答事例・文書回答事例・所得税基本通達を確かめた範囲)。
- 一時所得とする手がかり: 所得税基本通達35-3 は、生命保険契約などの年金に代えて、受給開始日以前に払われる一時金を「一時所得の収入金額とし」と書いています。401(k)・IRA がこの「生命保険契約等」に入るかは書かれていません。
- 受給開始日の後の一時金: 将来の年金の総額に代えるものは一時所得として差し支えないとされ、それ以外は雑所得とされます(35-3。どちらも生命保険契約などの年金の話)。
- 退職所得の入口: 外国の法令に基づく保険・共済の制度で、日本の国民年金・厚生年金などの社会保険に類するものの退職一時金は、退職所得とみなされます(所得税法施行令72条3項9号)。401(k)・IRA がこれに当たるかは書かれていません。
この画面がしないこと・見ていないこと
- 所得の区分(一時所得・雑所得・退職所得)の判定、日本の申告書の作成、米国の 1040-NR・還付の請求はしません。
- 米国の税額(30%の源泉・累進税率・10%の追加税・州税)は判定しません。Roth の運用益の日本での扱いは、一次の資料に書かれていません。
- 為替・株価のデータは取りに行きません。入れた数字と、公表の税率だけで見当を出します。